この記事を書いた人

日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医、日本女性骨盤底医学会専門医、母体保護法指定医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、日本女性心身医学会認定更年期指導士、IFCPC認定コルポスコピストtrainer認定資格などの資格を持ち、医師として約20年医療現場に立つ。
2027年春ごろに兵庫県にてクリニック開業予定。
更年期障害について
更年期とは?
毎月の月経がなくなり、女性が閉経を迎える年齢は、50歳前後といわれています。一般的にはその閉経を挟んだ45~55歳の約10年間を更年期と呼んでいます。
閉経には個人差もありますので、45歳よりも前から更年期が始まる方もいます。
更年期障害の症状
人によってさまざまな症状が現れます。
- 肩こり
- 疲労感
- 頭痛
- のぼせやほてり、発汗
- 動悸
- 腹痛、腰痛
- よく眠れない、不眠
- めまい
- イライラする
- 気分が落ち込む、不安になる
など
上記の症状がよくみられます。
更年期障害のしくみ
どうしてそのような症状が起こってしまうのでしょうか?
女性ホルモン“エストロゲン”の減少が原因
更年期には閉経に伴って卵巣の働きが衰えます。
それにより女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少していき、それまではエストロゲンによって調整されていた、からだのいろいろな機能に支障が出てくるのです。
そこから、疲れやめまい、肩こりや腹痛といった体の症状につながります。
また、エストロゲンの減少を受けて、脳から卵巣に対し女性ホルモンを出すように指令が送られます。その際のシグナルが脳に不要な興奮を起こしてしまうことがあり、そのために自律神経の不調が現れます。
そうして気分が落ち込んだり、イライラしたりといった症状が現れます。
更年期障害の治療
更年期障害の治療は主に3つあります。症状や年齢、患者様の背景などにより治療を選択していきます。
ホルモン補充療法(HRT)
お薬を使って、減少してしまったエストロゲンや黄体ホルモンを補ってあげる治療方法で、飲み薬、貼り薬、塗り薬があります。特にほてり、発汗、動悸などの改善が期待できます。患者様とも相談し、投与方法投与期間を決めていきます。
漢方薬による治療
ホルモン補充療法が行えない場合や、多様な症状でお悩みの場合には、漢方薬が有効なこともありますので、漢方薬の処方も選択肢となります。
抗うつ約・抗不安薬による治療
精神的な不調が中心の場合には、抗うつ薬などの処方による治療もあります。
また深刻なうつ状態になってしまった場合には、心療内科など専門医に受診することも考えましょう。
更年期障害は女性なら誰にでも起こるものです。
「自分だけがおかしくなってしまった」「なぜこんな風になってしまうのか」と、一人で悩む必要はありません。 体や心に不調があれば、まずは医療機関を受診してみましょう。更年期障害であること、また更年期の間だけの症状であることを知るだけでも、ストレスが軽減されることもあります。